2010/11/20

◆奈良・吉野の「美」と「美味」

           

◆金剛蔵王権現像が100日間御開帳中

平城遷都1300年祭は、先日終了しましたが、
奈良・吉野にある金峯山寺(きんぷせんじ)では、
平城遷都1300年を記念して、日本最大秘仏といわれる
「金剛蔵王権現像」(三尊)が100日間の特別御開帳中(~12/9)です。

白鳳年間(7世紀末)に修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が
金峯山を道場として修行され、蔵王権現を感得しそのお姿を桜の木で刻み、
お堂を建てたのが、金峯山寺の始まりとされています。

本堂の「蔵王堂」は高さ34m、東大寺に次ぐ大きさの木造建築物です。
ご本尊「金剛蔵王権現像」を観た瞬間に、あまりの大迫力に言葉を失い、
やがて魂がゆさぶられ、その力強い美しさに吸い寄せられていきました。

中尊は高さ7m。怒りがほとぼしるかのような形相で、参拝者を見下ろしています。

釈迦如来、先手観音菩薩、弥勒菩薩の三尊が、過去、現在、未来の三世にわたって
衆生を救済するための仮のお姿で、悪魔降伏の忿怒(ぶんど)の相だそうです。

このすごみある三尊ににらまれたら、きっと悪魔も退散することでしょう。

三尊を桜の木で刻んだことから、桜が保護され献木もされ、吉野山は桜の名所に。
春の桜色に劣ることなく、山の木々は赤や黄に紅葉し、秋染めも見事です。

国宝「二王門」下にある、創業100年以上の老舗和菓子「萬松堂」さんには人だかりが。
人気の草餅は、濃い緑色で小ぶりなサイズ。よもぎのいい香りと上品な甘さは、
吉野のおいしいお土産になりました。

 

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