2011/01/22

◆民族研究家・結城登美雄氏の講演

          

◆「地域で支え合う食と農」というテーマで話されました

「地元学」の提唱や「鳴子プロジェクト」の総合プロデューサーとして、
地域で支える米づくりを実践されている、民族研究家・結城登美雄氏の講演を
拝聴しました。

結城さんは、東北各県だけでなく、沖縄へもよく行かれていて、
104歳のおばぁに「何をどのようにして食べているのか」など質問していたら、
逆に「あんたぁ、『食』って何だぁ?」と聞かれて答えられなかったそうです。

おばぁは、「沖縄では『食』はヌチグスイ(命の薬)だぁ」と教えてくれました。

結城さんが、師匠と仰ぐ民族学者・宮本常一さんは、
「自然は寂しい。しかし人の手が加わると暖かくなる」と言われたそうです。

食べ物は自然に働きかけて手に入るもの。
いま、農家は約260万人、その半分の130万人が70歳以上で、
総人口のわずか2%の人が、自然相手に懸命に働いて食べ物を作っています。
でも10年後を考えると、農家の人はもっと少なくなっているでしょうと、憂う結城さん。

地域で、米づくりを支えるための取り組みのひとつが、
「鳴子の米プロジェクト」です。

栽培米の品種は、適地適作の「東北181号」。
米1俵の生産者価格18000円を5年間保障し、消費者価格は24000円。

自然相手のリスクは消費者と分け合うという考え方です。
イネの刈り取りを地元の中学生たちが手伝ったり、
鳴子の田んぼは、生産者と消費者の“暖かい”交流の場です。

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